若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、レール交換の前段となる「レールの積込み・運搬(積卸し)」の手順を解説します。
重量物のレールを扱うこの工程は、挟まれや建築限界支障のリスクが集中する場面であり、段取りの良し悪しが当夜の作業時間にそのまま影響します。
目次
レール積込みの手順(昼・材料基地)
レールの積込みは、夜間作業に先立って昼間に材料基地で行うことが多い作業です。
- チェーンブロックで吊る場合は、フックをレール頭部に掛けて吊り上げる
- 鉄トロから離れた位置のレールは、バールを鉄トロに斜めに掛けて誘導する ※使い終わったバールは、鉄トロと積んだレールの間に置いておく
- 短いレールは、鉄トロ1台に半コロを2個乗せ、その上に置く
- 積み終わったら、各鉄トロのレールをベルトでしっかり緊締する
- 材料線に残すレールは、受け台の上にきちんと整理してから終える
レール運搬・積卸しの手順(夜間)
- 鉄トロの転動防止杭のピンを抜き、倒す
- レール頭部にキャッチ(ハッカー)を掛け、チェーンブロックで吊り上げて、卸す側へ送る ※トングレールは帯を介すか、チェーンを巻いて吊る
- バラスト肩の上に卸したあと、レールフォークで施工基面側へ倒す ※急曲線や卸す位置が離れている場合は、バールを鉄トロに斜めに掛けて、レールを外側へ誘導する
- 線路方向に2本以上のレールを縦に並べて卸す場合は、100mm以上の間隔を取り、列車進行方向に対して//\\となる「ハの字」に離して置く
- 限界測定器で建築限界を支障していないか確認する
- レールを積み込むときは、トロに乗せる前に、吊ったレールの底部にバラストや油が付着していないか確認する
- 最後に跡確認を行う
安全のポイントと現場のコツ
- キャッチを使うときは姿勢をまっすぐに。高く持ち上げるときは、取っ手の下の交差部分を片手ずつつかむと安定します。
- 建築限界の確認は必ず測定器で。卸したレールが限界を支障していないか、目視だけで済ませないことが重要です。
- 「跡確認」までが作業。工具の置き忘れや材料の転がりがないか、最後に必ず確認します。
用語ミニ解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 鉄トロ | レール運搬に使う鉄製のトロッコ |
| 半コロ | まくらぎを半分にしたような木製の受け台。レールの仮置きや高さ調整に使う |
| キャッチ(ハッカー) | レール頭部をつかむ、やっとこ状の吊り具 |
| トングレール | 分岐器の先端にある、先の尖った可動レール |
| レールフォーク | レールを起こしたり倒したりするための工具 |
| 限界測定器 | 置いた材料などが建築限界を支障していないか確認する測定器 |
まとめ
レールの積込み・運搬は、一見地味ですが、当夜のレール交換の成否を左右する大事な工程です。「緊締」「限界確認」「跡確認」の3つを外さないことが、安全で速い作業につながります。
次の記事では「6.レール加工編」を解説する予定です。

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