保線作業について学ぶ(3.レール交換・12m超編)

 若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?下記作業の手順は一例ですが挙げておきます。


3.レール交換(概ね12m超)・溶接・設定替 ※切断後緊張法同時緩解式

 前提条件:レール運搬、事前軌道検測済み

  1. 搬入路から軽便トロを入れ、ある程度の延長がある場合、軽便トロを3台に分け、起点・中央・終点に器具を分けて乗せる
  2. 起点・終点の軽便トロには、「レール山越器」「巻上げ器」「半コロ」「発電機」「ボルト緊解機」「分路器」「キャップタイヤコード」「PC油缶」「照明」「吊上げ器」「バール」「パッド切り」「半コロ」「ウマ」「ショベル」「サラエ」「三点棒」を乗せ、中央の軽便トロには「緊張器一式」×2組を乗せるが、その緊張器は起終点に1組ずつ配る
  3. 他の器具として、「コロ棒」「ガイドローラー」「水準器」「水糸」「仮ボンド」「グラインダー」「タイタンパー」「コンパクター」「点検ハンマー」等も持ち込む
  4. 起終点の緊張器を交換レールより外側部分のみ組み立てシリンダーを接続、油圧でシリンダーをいっぱいまで伸ばしロッドをピンで接続、対側のレール交換側が締結装置に干渉する位置に来ていないか確認し必要があればバールで位置を調節する
  5. 上記運搬準備中に、新レール→旧レールの長さを測定し、交換・溶接する位置を決める
  6. 仮ボンドが必要な場合は、「旧レール×新レール」か「旧レール×旧レール」の底部をグラインダーで研磨し、仮ボンドを取り付ける(※「旧レール×旧レール」に取り付ける場合は、新レールが交換側に置いていない等の場合で、旧レールを撤去する際は仮ボンドが引っかからないよう手で介錯しながら行う)
  7. 併行して交換用の軌道パッドを軌間内側(基本)に配付していく(※軌道パッドのPCまくらぎ側に来る面にボンドを塗布する場合は、線路立入り直前に塗布し、2枚1組で重ねて2枚ごと配付していく)
  8. 溶接業者が旧レールをガス切断し、起終点のどちらかが切断されたら、ボルト緊解機で交換レール内+緊張器内の締結装置を全て緩解、交換レール内+溶接部前後2丁分の締結装置を取外す(※パンドロールの場合は、インシュレーターをパイスケ等に入れて一時回収しておく)
  9. 事前の準備作業の時点で、締結ボルトへのPC油付けが実施できていない場合は、取り外されている間に、込栓内のねじ山にPC油を塗布していく
  10. 山越器を旧レールにセットし、旧レールを軌間外へ撤去、新パッドを並べていく
  11. 山越器を新レールに掛け替え、新レールを挿入していき、縦移動させ位置を調節する
  12. 新レールが長い場合は、新レールを旧レールに当て、重なり部分を溶接業者がガス切断する(=当て切りという)
  13. 新レールが挿入されれば、設定替延長範囲の外側すなわち新レール中央付近の締結装置をボルト緊解機で緊締する
  14. 山越器を使い終わったら足を畳み、土台に使用した半コロ等とともにまとめて置き片付けておく
  15. 上記4項で準備された緊張器を新レール側もセットする
  16. 当夜のレール温度、当該区間の設定温度等により計算された緊張力(数十トン)まで、起終点とも同時進行で、5t緊張→8.3m締結緩解→5t緊張→8.3m締結緩解→…所定のトン数まで繰り返す(=通称ステップといい、交互なので厳密に言えば同時緩解式ではない)(※8.3mは5t÷道床縦抵抗力0.6=8.333…で求めている)
  17. 交換レールより外側部分の緩解した締結装置のボルトをPC油缶に入れ、ねじ山に塗布し、込栓に挿入、手締めしておく
  18. 上記16項について起終点の両側が完了すれば溶接を開始する
  19. 設定替範囲の外側から順に緩解した締結装置を緊締していき、緊張器の外側3個目程度まで緊締されたら一旦緊締を止める(緊締する際は水準ゲージにより軌間を確認しながら仕上り基準値内に収まるよう締結装置で調節していく)
  20. この間45分程度、溶接に時間を要すので、周辺の器具の片付けや溶接に影響のない付帯作業等を行う
  21. レール交換延長が50m以上の場合、受台があった箇所にウマでバラストをかき入れ、サラエで道床整理を行う(※必要があれば道床肩のかき上げを行い、コンパクターで全長を締め固める)
  22. 溶接コブの研磨作業に入ればレールへの衝撃が可能になるので、軌道パッドにズレが生じている箇所の締結装置をボックススパナで緩解し、吊上げ器でレールをこう上、パッド切りで軌道パッドの位置を直す
  23. 溶接が終了すれば、溶接部前後の締結装置を緊締、溶接箇所のバラストを埋め戻し、タイタンパーでつき固め、必要があればコンパクターで締め固める
  24. 事後検測、跡確認を行う

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