若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、夏場の定番作業「線路除草(草刈り・除草薬散布)」を解説します。
草刈り(昼作業)の手順
- 準備作業として、草刈機の替刃交換(本体を裏返し、刃が上を向くように置いてナットを緩める。ナットは逆ねじで、裏返した分、刃も裏返して入れる)、始動確認、ベルト・燃料・手鎌・サラエ・フォークの用意をする ※燃料は小分けのボトルに移すと運びやすい
- 必要に応じて作業中標を列車見張員と一緒に建植する
- 施工基面に杭を設置し、安全ロープを張る ※ロープの長さや責任者の配置は社内ルールによる
- ケーブル台帳を基に、全員で全長を歩いてケーブル位置を確認する。ケーブル周辺は手刈りとする
- 草刈機を始動し、のり尻からすくい上げるように下から上へ刈る ※刈った草を隣接地へ落とさないよう注意
- のり面部は左右に振りながら刈る ※見通しの悪い場所は一気に刈らず二段刈りにして、障害物への刃当たりを防ぐ
- フェンスやバラスト止め、防音壁の近くは、草刈機を直角方向に上下へ動かして刈ると良い
- フェンスに絡まったつる草は手鎌と手で取り、側溝に落ちた草はフォークで拾い上げる
除草薬散布の手順
- 決められた順番に、軌陸ダンプまたはトラックから除草薬を散布していく ※ホースは長さがあるので、線路をまたいだ散布も可能
- トラックから散布する場合は道路側からの施工になるため、必要に応じて交通整理員を配置する
目次
管理者(軌道工事管理者)のポイント
- 安全ロープを区間ごとに設置させ、作業前に全員でケーブル位置を確認する(記録として動画を撮ることもある)
- ケーブルや支障物の周りはスプレーで明示し、必ず手刈りとする
- 実績数量は、ケーブル台帳の構造物キロ程を基準に、幅は現地でおおよそ測って控える
- 除草薬は、散布後1週間程度で枯れ具合を写真で確認する
用語ミニ解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| のり面・のり尻 | 盛土や切土の斜面と、その裾の部分 |
| 作業中標 | 作業中であることを列車に知らせる標識 |
| 列車見張員 | 列車の接近を監視して合図する係員 |
| ケーブル台帳 | 線路脇のケーブル位置を記録した台帳 |
| 二段刈り | 高い草を上下2回に分けて刈る方法 |
| 軌陸ダンプ | 道路と線路の両方を走れるダンプ |
まとめ
除草は単純作業に見えて、ケーブル切断と飛び石・刃の接触事故が起きやすい作業です。「刈る前にケーブルを全員で確認」を徹底しましょう。
次の記事では「30.引継検査・現場調査編」を解説する予定です。
▼シリーズ「保線作業について学ぶ」を順番に読む
前:保線作業について学ぶ(28.連節軌道(連軌)修繕編)
次:保線作業について学ぶ(30.引継検査・現場調査編)
シリーズ目次:保線作業について学ぶ(全30回まとめ)
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