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ふく進抵抗力と道床縦抵抗力とロングレール縦荷重

 ロングレール管理や橋上ロングレール化の検討等で出てくるワードとして、「ふく進抵抗力」や「道床縦抵抗力」がありますが、しっかり整理して理解できていない人もいらっしゃるのではないでしょうか。体系的に理解しておきましょう。

目次

①ふく進抵抗力

 ロングレールがレール長手方向に水平移動しようとするときにレールと締結装置との間に生じる最大抵抗力のことで、道床縦抵抗力より大きくなるように設計されている。レール伸縮量の検討では、道床縦抵抗力の代わりにふく進抵抗力を用いる。

  • 通常5kN/m/レールで設計
  • 在来線:9kN/組(F形、H形、9形、特殊形)、12kN/組(5形)、15kN/組(5N形)
  • 新幹線:7kN/組(高速形二重ばね)、10kN/組(102形、高速形)
  • 在・幹:3kN/組(直結4・5・7・8形)、13kN/組(フォスロー形)、16kN/組(パンドロール形)、22kN/組(ナブラ形)
  • 単位の見方:9kN≒900kgf→1cm当り換算で15kgf/cm

②道床縦抵抗力

 列車の制動・力行時のレール長手方向の荷重、レール温度上昇・下降による伸縮および座屈発生によってバラスト中の軌きょうをレール長手方向に水平移動しようとするのを抵抗する片側レール1本における単位当りの支持力・摩擦力のこと。一般に道床横抵抗力の1.5~2.0倍である。

【在来線】

  • 一般的には4~8kN/m/レール(直結系軌道は5kN/m/レール)

【新幹線】

  • 一般的には9~10kN/m/レール(直結系軌道は5kN/m/レール)
  • 3Tcまくらぎで1200kgf→片側レール1cm当り換算で10kgf/cm
  • 3Hcまくらぎで1400kgf→片側レール1cm当り換算で12kgf/cm

③ロングレール縦荷重

 主に橋梁などの構造物に作用する反力を指します。橋桁の場合、可動端では自由伸縮の分だけ移動するが、一方レールは、不動区間ではほとんど移動しないため、レールと橋桁の動きにズレが生じてしまいます。レールは前述のとおり、締結装置によりふく進抵抗力が作用し、レールと橋桁の移動量の差によって生ずるレール締結部等の摩擦力により、橋桁にロングレール縦荷重が作用します。一般にレール1本当り0.5tf/mで左右レールで1.0t/mとしており、そこからLR=γ・Lで算定されます。

 ※LR:ロングレール縦荷重、γ:ふく進抵抗力、L:構造物の全長

(参考文献)

  • 保線問答集(上巻) 鉄道現業社 編
  • 保線問答集(下巻) 鉄道現業社 編
  • 保線工学<上> 保線工学編集委員会 編

<画像引用元>

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