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鉄道設計技士(鉄道土木)を取得する①(まえがき編)

目次

鉄道設計技士とは

 鉄道設計技士は、「鉄道事業法施行規則(第二十四条の二)」で定める設計管理者に選任される要件の一つである、“国土交通大臣の登録を受けた者(以下「登録試験実施機関」という。)が行う試験(以下「登録試験」という。)に合格している者”を指します。

 また、「登録試験実施機関」は、現状「公益財団法人鉄道総合技術研究所 鉄道技術推進センター」しかありません。

 ところで、設計管理者って何する人ですか?って思った人は居ないと思いますが、将来活躍する若手技術者も読んでいると信じて、書いておきます。

 設計管理者とは、認定を受けた鉄道事業者(=認定鉄道事業者)において、設計の確認等の行為を国交省に代わって行う人のことをいいます。簡単に言うと、まくらぎの種類を木からコンクリートに交換する工事において、その軌道材料の品質が適合しているものかを確認する等の行為を社内だけで完結できる人のことです。したがって、手続きが簡略化されてスピーディだということです。逆に言えば、国交省に申請するとなると、時間も手間もかかって、検討された工事もスムーズに計画を組めません。また、認定の制度がないと、国交省もマンパワー的にやってられません。だからこそ取得が求められるのです。

 それでは、試験の内容を具体的におさらいしておきましょう。

2021年度試験以降の主な変更点(赤線部分)


各種スケジュール

  • 4月初旬:試験案内の公示 ※2023年度は4/3(月)にホームページ掲載
  • 6月初旬~7月初旬:受験受付 ※2023年度は6/9(金)~7/7(木)
  • 9月末:受験票・写真票の発送(手元に届く)
  • 10月下旬(日曜日):試験日 ※2023年度は10/22(日)
  • 1月下旬(金曜日):合格発表 ※2023年度は1/19(金)予定

 ↓合格後…

  • 1月末~2月初旬:合格者名簿の登録手数料納付 ※2020年度は1/25(月)~2/5(金)だった
  • 2月下旬:合格証明書の発送
  • 2月末~3月初旬:名簿記載事項及び連絡先届の提出 ※2020年度は3/5(金)必着だった
  • 翌5月下旬:合格者名簿の公開・配布 ※2021年度からは無し

試験時間(2022年度受験案内による)※2021年度~6.5時間→5時間に短縮

※参考)2020年度までは以下のとおり


出題内容(2022年度受験案内による)


合格基準(2022年度受験案内による)


各提出書類の記載にあたっての留意点

  • 受験申請書(必須)
  • 主な業績記載用紙(必須)※2021年度からは無し
  • 実務経験経歴証明書(過去3年以内に受験した人は不要)など

 以上の書類については、作成したもののデータやコピーを保管して、不合格となった場合、翌年度に受験する際に書く内容を忘れないように注意しましょう。

  • 受験票・写真票(必須)

 これについては、写真をのり付けした際に、試験会場到着までに剥がれて失くしたりしないよう注意しましょう。のりの種類によっては粘着力が弱いものもあるので、予備を持参するか、クリップ等で押さえたりするのも手かもしれません。


その他留意点

  • 共通試験と専門試験Ⅰが合格でないと、専門試験Ⅱ(記述式・論文)を採点してくれません。しかし、前者が合格であれば、その後の3年間は試験免除となり、専門試験Ⅱ(記述式・論文)だけの受験になります。したがって、午前中だけ受験して、午後からの試験は棄権する人も多くいらっしゃいます。
  • 昼食は受験会場の部屋から出てから戻ってくるまでで1時間しかなく、また、会場付近にコンビニや食事できる場所がなかったりするので、全科目を受験される方は事前に用意しておき、喫煙やトイレの時間なども考慮するようにしましょう。
  • 新型コロナウィルス対策で、受験会場や受験票の発送日などが変更される可能性があるので、ホームページをこまめにチェックしましょう。

受験対策講習会について

 毎年7月初旬に、一般社団法人 日本鉄道施設協会(東京・上野)にて受験対策講習会を実施しています。2022年度からはZoomでの開催に変更されています。

【スケジュール】

 5月初旬:ホームページに案内掲載、6月初旬:申込期限、7月初旬:講習会(見逃し配信あり)

 講習会の案内 ⇒ http://www.jrcea.or.jp/information/index.html

【講義の内容】

  1. 鉄道設計技士試験の概要
  2. 共通・専門試験の傾向と対策
  3. 論文試験の記述要領等

【講師陣】

 元国交省運輸局の鉄道部長、㈱日本線路技術の顧問、JRや関連会社の幹部等

【いただける資料】→全部で1000枚弱ぐらいあるので重いです(帰りは注意)

  • 協会資料:講習説明や試験説明、過去問分析、論文科目の注意点など
  • 講師資料:過去問や参考文献などをまとめた分厚いファイル
  • 関係法令集:法令の中でも選りすぐりを集めた製本
  • 参考資料:学生時代に習った単位や物理の法則、鉄道総研のRRRをまとめた製本
  • 過去問集:直近5年分の過去問をまとめた製本
  • 問題集:鉄道施設協会誌の協会誌受験ゼミナールをまとめた製本

【数年前の講習(オフライン)を受けての私見】

 あくまで私見ですが…微妙です。講習はテキスト代込みで3万円弱なので、参考がてら良いかな?ぐらいの人は受講もアリかと思います。※交通費や宿泊費、飲食代がかかる方は別途必要。Zoomの場合は不要。

 資料としては良いのは「関係法令集」が最新版としてA4サイズで抜粋されているので、鉄道六法より見やすくて、マーキングのしやすさ等も含めて便利ではあります。

 講義は…私はダメでした。。もちろん、良かったと思う人もいらっしゃるとは思います。

 私は、他の有名資格の対策テキストのように、過去問に沿った順番、文献、解説というパターンで整理されているテキストで、毎年ブラッシュアップされているテキストや講義内容が理想だと思います。また、私はそれが過去何十年分も網羅されていて、関係法令や根拠の記述が膨大であっても整理されていれば構わないと考えています。整理とは、例えば、章や項目に分かれていて、過去問に合う形で解答となるべき根拠が記載されており、それが何年の何の科目で出題されたかが分かるようになっている、などです。

 しかし、本講習の講義やテキストは、そうなっておらず、過去問とほとんどリンクされていなかったため、勉強にならないとまでは言いませんが、対策にはなっていないなと感じました。さらに、公的な講習はここでしか実施されていないため、遠方地から受講される方は交通費もバカになりません。結局ほぼ全て自力です。一部のエリート以外は、まぁ大変です。受かりません。↓

 よって、このブログを基に、効率よく学習に励んで頂ければ幸いです。順番に受験対策記事を掲載していきます。


不合格になるのは「共通+専門Ⅰ」か「専門Ⅱ」か

 総研から公開されていないので詳細は分かりませんが、会場の雰囲気や社内の状況を踏まえると、ほとんどの方は「共通+専門Ⅰ」で落ちています。その根拠として

  • 試験会場の試験(共通+専門Ⅰ)免除者の部屋数・人数は少ない
  • 社内における不合格者は圧倒的に「共通+専門Ⅰ」でつまづく人が多い
  • 賢い人たちでも落ちている(すぐ受かる人は高学歴天才さんか超努力型の人)
  • 論文(専門Ⅱ)は多少経験でカバーできるが、共通などはカバーが利かない

などが挙げられます。

したがって、遠回りせず受かるには本ブログを参考にしてください。


問題集や参考書籍について(上記9.講習会は除く)

 市販の問題集などはありません。参考書籍や文献などは、次回以降の科目別受験対策の記事に一緒に紹介しておきます。また、私が作成した受験対策テキストを販売しますので、そちらもチェックしてみてください。⇒ https://track-mainte.com/textbook

 この受験対策テキストを使用すれば、あらゆる準備時間をショートカットできるので、6月・7月からでも間に合います(私は準備後、8月頃からインプットし合格しました)。過去問を見て不安な方は早めにスタートさせてください。


以上がまえがきです。次回以降で、科目ごとに解説やコツを伝授したいと考えていますので、ぜひそちらもご確認ください!

<画像引用元>

 公益財団法人鉄道総合技術研究所 https://www.rtri.or.jp/gishi

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