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保線作業について学ぶ(14.遊間整正編)

 若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、レール継目のすき間を整える「遊間整正(目割)」を解説します。

目次

遊間整正とはどんな作業か

 定尺レール区間では、レールが温度で伸縮できるよう継目に遊間(すき間)が設けられています。この遊間が詰まりすぎたり開きすぎたりすると、夏の張出しや冬の目違い・破断につながるため、レールを少しずつ動かして各継目の遊間を適正値に配り直すのが遊間整正です。

遊間整正の手順

  1. 片押しで、ボルト緊解機班とパッド切り班の2班に分かれて進んでいく
  2. パッド切り班は、巻上げ器でレールを上げながら、レール側に付いたパッドを剥がしていく
  3. 緊解機班は全ての締結装置と継目板ボルトを緩め、犬くぎを浮かせる ※アンチクリーパーがある場合はスパイキハンマーで叩いて外す。緩解が終わればパッド切り班も合流する
  4. 締結ボルトを手で抜き、PC油に1/3程度浸けて戻し、軽く締め回しておく
  5. 当夜のレール温度と遊間量から再計算された指示遊間量が継目に書かれるので、その分の目板を挿入し、次の継目に据えた遊間整正器でレールを出し・引きする ※カーブ等で動きにくい区間は、掛け矢でレール頭部を叩いて縁を切る
  6. 目板が効くまで動いたら、緊解機で継目板を締め、次の継目までの締結装置と犬くぎを締めて(打って)いく ※パッド切りや位置直しが残っていれば済ませてから締める
  7. 継目板の仕上げとして、スパイキハンマーで継目板を叩き、トルクレンチで継目板ボルトを「カチッ」というまで締め、合いマークを入れて注油する
  8. 次の継目の遊間が収まったら、目板の飛び出た方を上から叩いて外す ※外した目板は以降の継目で再使用することがあるので手元に管理。叩く際はレールボンドに注意
  9. 以降、5〜8を継目ごとに繰り返していく
  10. 継目の締結装置をボックススパナで締め、事後検測(遊間量)・跡確認を行う

管理者(軌道工事管理者)のポイント

  • 当日のレール温度と遊間量を測定し、各継目の指示遊間量を決めてレール頭部に書いていく
  • 計算通りに進んでも最終盤で数mmの誤差が出るため、半分ほど施工した時点で残り区間の遊間合計を再測定し、誤差があれば残りの継目に按分する
  • 仕上りの遊間量は必ず記録に控える

用語ミニ解説

用語意味
遊間レール継目に設けられた伸縮用のすき間
目割(めわり)各継目に遊間を配り直す計画・作業のこと
目板指示遊間量を確保するために継目に挟む板
遊間整正器レールを長手方向に押し引きする油圧器具
掛け矢大型の木づち。レールを叩いて動きの縁を切るのに使う
アンチクリーパーレールのふく進を防ぐ止め金具

まとめ

遊間整正は「数mmを配り直す」細かい作業の積み重ねです。指示遊間の計算と、途中での再測定・按分が仕上りを左右します。

次の記事では「15.分岐器部分交換の現場調査編」を解説する予定です。


▼シリーズ「保線作業について学ぶ」を順番に読む
前:保線作業について学ぶ(13.ロングレール設定替編)
次:保線作業について学ぶ(15.分岐器部分交換の現場調査編)

シリーズ目次:保線作業について学ぶ(全30回まとめ)
▼保線の資格・テキスト
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