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保線作業について学ぶ(16.レール加工編)

 若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、レールを現場に合わせて仕上げる「レール加工(切断・穿孔・曲げ)」を解説します。

目次

レール加工とはどんな作業か

 レール交換や分岐器の部分交換では、新しいレールをそのまま使えることは少なく、現場の寸法に合わせて「切る・穴を空ける・曲げる」加工が必要になります。多くは昼間に材料基地や現場付近で行い、加工の精度がそのまま継目の仕上りに直結します。

レール切断の手順

  1. まずレールの現寸(全長)をテープで測定し、ダブルチェックを行う
  2. 山越器で、加工しやすい位置にレールを小移動させる
  3. 指示された切断位置に白鉛筆で線を引き、線残しで切断する
  4. 切断時はレール下に半コロを敷き、切断機の引き代を確認してから切断する ※スパークシャッターを立てて切断機の下も防護する。重いレールは半コロを一定間隔に敷いてレールが垂れないようにしないと、切断面が斜めになる
  5. 切断後は、バケツの水を周辺にまいて防火対策をとる
  6. 端部を2mm面取りし、バリも除去する ※頭部は確実に行う
  7. 切断面に曲尺を当て、レール頭部の隙間を見て直角に切れているか確認する

レール穿孔の手順

  1. レール穿孔は、当て金を当てて位置を合わせてから穿孔する
  2. 土のう袋か受け皿を敷き、穿孔カスを回収する
  3. 穿孔後はボルト穴を2mm面取りする ※面取りが甘い場合は、面取り機の溝をグラインダーで整えると良い
  4. 当て金を当てて孔位置を確認し、記録が必要な場合は写真を撮る

レール曲げの手順

  1. 曲げる範囲と方向をよく確認してから、3人1組でレール端部から順にレールベンダーを所定の圧力でかけていく
  2. 油圧機とベンダーをカップラーでつなぎ、ベンダーにピンを挿し、油圧機のトン数を合わせる
  3. 2人がベンダーを支えてレールにセットし、残りの1人が油圧機のスイッチを入れる。ベンダーの位置にはチョークで線を引いておく
  4. 所定の圧力になると自動で止まるので、レバーを切り替え、ベンダーをチョークの位置まで移動させて繰り返す ※ベンダーの仕様により、数トン程度かけないと曲がり出さない
  5. 曲げ終わったら水糸を張って矢(曲がりの量)を測定し、計画どおり曲がったか確認する

レール防食加工の概要

 海岸部やトンネル内など腐食しやすい箇所用に、レール底部へ防食処理を行うこともあります。流れは、レール底部〜腹部を電動ブラシで研磨して錆を落とし、錆転換剤を塗布して乾燥させ、防食塗料を塗り重ねながら防食テープを空気が残らないように貼り付けていくというものです。各工程の乾燥時間は規定どおり確保することが品質のポイントです。

管理者(軌道工事管理者)のポイント

  • どのレールをどの位置で加工するか、マーカーで印を入れて明確に指示する
  • レール端部に種類やどちら側かを書いておくと、写真記録の際に分かりやすい
  • 切断後は曲尺で直角を、穿孔後は当て金で孔位置を必ず確認する(重要箇所は写真提出を求められることがある)

用語ミニ解説

用語意味
線残し書いた線が残るように、線の際で切断すること
面取り角を斜めに削って割れや欠けを防ぐ仕上げ
スパークシャッターレール切断時の火花を防ぐ鉄板
当て金継目板のボルト孔位置を写し取るための型板
レールベンダー油圧でレールを曲げる器具
矢(や)水糸を張って測る曲がりの量

まとめ

レール加工は「測る→切る→確認する」の繰り返しです。切断の直角、穿孔の位置、曲げの矢。それぞれ確認までがワンセットと覚えておきましょう。

次の記事では「17.分岐器部分交換編」を解説する予定です。


▼シリーズ「保線作業について学ぶ」を順番に読む
前:保線作業について学ぶ(15.分岐器部分交換の現場調査編)
次:保線作業について学ぶ(17.分岐器部分交換編)

シリーズ目次:保線作業について学ぶ(全30回まとめ)
▼保線の資格・テキスト
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