若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、取卸した定尺レールを現場でつないでロングレール化する「レール二次溶接」を解説します。
目次
二次溶接とはどんな作業か
工場であらかじめ溶接された長尺レールに対し、現場でさらにレール同士を溶接してつなぎ、所定の長さのロングレールに仕上げるのが二次溶接です。溶接自体は溶接業者が行い、保線側はレールの吊上げ・縦送り・位置合わせといった「お膳立て」を担当します。溶接方法はガス圧接(GPW)が代表的です。
二次溶接(保線側)の手順
- 約25m間隔で山越器を据え、溶接箇所の両側からレールを吊り上げ、レールの下に半コロを外・中央・外の3点で挿入する ※ロングレールの場合は低ローラーを一旦てっ去し、別の半コロに載せ替える
- 山越器やコロ付きキャッチでレールを縦送りして溶接位置に近づけ、以降は溶接業者の指示に従う ※低ローラーの端部やバラストが噛んでいる場合はバールでレールを押し出す。チルホールで縦送りする場合もある
- 溶接中は、山越器や吊上げ器のキャッチをレールに掛けたまま保持する
- 溶接終了後は山越器で再度吊り上げ、半コロをてっ去して低ローラーとレールを元に戻す ※レールが低ローラーに乗らない場合はバールで調節する
- 全箇所の溶接が完了したら、レール端部に杭を打ち、短いロープで固定して転動を防止する
安全のポイントと現場のコツ
- 溶接中はキャッチを掛けたまま。溶接の熱でレールが動かないよう、保持を続けるのが保線側の重要な役割です。
- 縦送りは「噛み込み」に注意。低ローラーの端部やバラストが噛んだまま送ると、レールが暴れます。必ずバールで解いてから送ります。
- 終わったら転動防止。つないだレールは長く重くなっています。杭とロープでの固定を忘れずに。
用語ミニ解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 二次溶接 | 現場でレール同士を溶接してロングレール化する作業 |
| GPW(ガス圧接溶接) | レール端面同士を加熱・加圧して接合する溶接方法 |
| 縦送り | レールを長手方向に移動させること |
| チルホール | 重量物をワイヤーで引き寄せる手動ウインチ |
| 小判(こばん) | 半コロを辺の短い方を下にして置く組み方 |
| キャッチ | レールをつかむ吊り具。山越器や吊上げ器の先端に付く |
まとめ
二次溶接は溶接業者との共同作業です。保線側の吊上げ・縦送り・保持が正確なほど、溶接の仕上がりも良くなります。「溶接は業者、段取りは保線」と覚えておきましょう。
次の記事では「11.ロングレール交換・実作業編」を解説する予定です。
▼シリーズ「保線作業について学ぶ」を順番に読む
前:保線作業について学ぶ(9.ロングレール交換準備編)
次:保線作業について学ぶ(11.ロングレール交換・実作業編)
シリーズ目次:保線作業について学ぶ(全30回まとめ)
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