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軌道材料の種類・用途を知る③(まくらぎ編)

 軌道材料もどんどん増えてきて、種類ごとの適用が分かりづらくなっていませんか?特に、PCまくらぎやレール締結装置の種類が多く、覚えにくいですよね?

 現在、何があって、どういった場合に使用するのか、順番に整理していきたいと思います。

 ※長さや曲げ加工の違いなど、細かい種類については割愛しています


目次

まくらぎ

【敷設方法による分類】

  • 横まくらぎ:レールと直角に敷設する一般的な方法。
  • 縦まくらぎ:レールと平行して敷設する方法。軌間保持ができないため継材等が必要。
  • 短まくらぎ:レール左右別々に短いまくらぎを敷設する方法。直結軌道によく使用する。
  • 2ブロックまくらぎ:左右の短まくらぎを鋼材で連結したもの。

【使用目的による分類】

  • 並まくらぎ:一般区間の中間部に使用される。
  • 継目まくらぎ:一般区間の継目部を支え継ぎで使用される。俗に大判とも言う。
  • 橋まくらぎ:無道床橋梁区間に使用される。
  • 分岐まくらぎ:分岐器区間に使用され、後端にいくにつれ長いまくらぎを使用する。
  • ケーブル防護用まくらぎ:ケーブルを抱き込めるように切欠きが施されている。
  • 伸縮継目まくらぎ:伸縮継目のストローク部分に使用される。

【材質別による分類】

  • 木まくらぎ:「素材」と「防腐」がある。防腐には、『新防腐』『VZN』『ナフテン酸銅』などがある。
  • コンクリートまくらぎ:PCコンクリートがあり、『プレテンション(PR)』『ポストテンション(PO)』に分類される。
  • 合成まくらぎ:ガラス長繊維と硬質発砲ウレタンで構成されている。
  • 鉄まくらぎ:コストを抑えるためにつくられた。貨物線などに使用されている。

【PCまくらぎ】

(在来線用)

  • 1号:直線用として開発されたが、現在は使用されていない。
  • 2号:直線用として開発されたが、現在は新規敷設されていない。
  • 3号:1962年に設計されたもので、直線およびR≧800の区間に敷設される。
  • 4号:急曲線、急勾配用に開発された。
  • 6号:1969年に設計されたもので、300≦R<800の区間に敷設される。
  • 6号翼付き:6号に軌きょう剛性を高めるためにウィングが付いたもの。急曲線ロングレール中に敷設する。
  • 7号:1969年に設計されたもので、主に中下級線区に使用される。
  • 8号:リニアモーターカー用で自動化ヤード等の側線、R≦300の区間に使用される。
  • 下級線用:下級線用に3号より10㎜薄くしたもの。
  • 1F号:1966年に設計されたもので、凍上区間用で、60kgはR≧800、50NはR≧600の区間に敷設される。
  • 特殊区間用:1976年に設計されたもので、R≧240の区間に敷設される。無道床区間の前後など、剛性を高めるために敷設することが多い。
  • 継目用:1976年に設計されたもので、継目部を木から変更するためにつくられた。
  • ケーブル防護用:1976年に設計されたもので、ケーブルを通すための切欠きもある。
  • 伸縮継目用:分岐まくらぎをPC化するために開発された。伸縮継目を撤去した後も再利用できるよう設計されている。
  • 低コストPC(TPC):ローカル線用に開発された。一般形や低廉化ともいう。ローカル線において将来的に2/3本に本数を削減するためや側線において脱線防止を目的として1/3本をPC化するためのもの。目的別で165㎜、140㎜に、曲線半径(スラック)別で一般用、曲線用、急曲線用に、前後の木まくらぎのタイプレートの有無によって1/40勾配かフラットに使用を分別している。
  • 分岐用PC:保守周期や脱木まくらぎ用に敷設が進められている。
  • 総研型踏切舗装版用:総研式踏切用の専用まくらぎ(パンドロール)。
  • 有道床弾性:底部と側面にウレタンゴム等の弾性材を被覆した省力化軌道構造の一つ。勘合形や連結軌道まくらぎ等がある。
  • 有道床弾性翼付き:有道床弾性まくらぎにウィングが付き、剛性を高めたもの。
  • 枠型まくらぎ:縦方向と横方向を組み合わせたもの。井桁やH型ともいわれる。
  • KG式用:KG式踏切用の専用まくらぎ。

(新幹線用)

  • 3T(c・d):東海道新幹線の一般区間で使用されている。プレンテンション方式。
  • 3H(c・d):山陽新幹線高速有道床区間で使用されている。プレテンション方式。
  • 4T(h・i):3Tと同じ。ポストテンション方式。
  • 4H:3Hと同じ。ポストテンション方式。

(鉄まくらぎ)

  • お椀形:逆さになったお椀のような形状で、内部にバラストをかき入れ、道床厚を確保する。
  • H形スチール:H鋼を少し加工しただけの低コスト化を目指したもの。

(省力化軌道用まくらぎ)

  • LPCまくらぎ
  • ラダーまくらぎ

(参考文献)

  • 解説 鉄道に関する技術基準(土木編)第四版
  • 新版 軌道材料 新版軌道材料編集委員会 編

<画像引用元>


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