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保線作業について学ぶ(7.ロングレール取卸準備編)

 若手技術者の中には、特に保線作業が外注化され直接作業に触れたくても触れる機会が少なく、どのように作業が行われているか知らない方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は、ロングレール交換の前段となる「ロングレール取卸の準備作業」を解説します。

目次

取卸準備とはどんな作業か

 ロングレールの取卸は、レール輸送車から新しいロングレールを線路脇へ卸す作業です。数百メートルのレールをスムーズかつ安全に卸すためには、受台や低ローラーといった仮設物を事前に設置し、卸したレールが転がらない・建築限界を支障しない状態をつくっておく必要があります。この準備の丁寧さが、取卸当夜の作業効率を大きく左右します。

準備①:受台・低ローラーの仮設(踏切処理含む)

  1. 軽便トロにコンパネを介在させて受台を運び、所定の間隔(10m・7m・5mなど印の位置)に間配る ※バラストをかき出す位置から少しずらして置き、両端は端から1mの位置を基準にする
  2. 余盛バラストをウマでまくらぎ高さまでかき出し、長い方の半コロを直角方向に敷く ※肩幅が少ない箇所は、短い方の半コロを水平方向にして下に敷く(サンドルと呼ぶ組み方)
  3. 軽便トロで低ローラーを間配る ※ランマーによる締固めの邪魔にならない位置に置く。取卸範囲内に踏切等の支障箇所がある場合は、前後30m程度は低ローラーを置かず当夜に取り付ける
  4. かき出したバラストをウマで埋め戻し、サラエで整理する
  5. 受け台をレール腹部に当て、受台の対側にくる位置にマーカーでラインを入れる ※2本卸しの場合は真ん中に1本線を引き、挟むように低ローラーを置く
  6. 低ローラーの内側がライン上にくるように置き、穴を斜め方向に洋くぎで留めておく
  7. ランマーでかき均したバラストを締め固めていく
  8. 受台の表面をペンキで塗色し、位置を分かりやすくしておく
  9. 踏切部は所定の位置にカッターを入れてブロックをてっ去し、アスファルトを流し込み、角スコとレイキで均しながら整える ※固まることを考慮して加熱用のプロパンと火口を用意しておく
  10. 水をかけながらランマーで締め固め、必要により少量のアスファルトを足して平らに仕上げる
  11. 踏切の標示ラインが剥がれた箇所は、スプレーで塗色して復旧する
  12. フランジウェイや踏切周辺の側溝を水で流し、ほうき等でアスファルトや泥を掃除する

準備②:締結ボルトの油付け・事前検測

  1. 軽便トロで器具一式と山越器・巻上げ器などを運搬し、間配る
  2. ウマで取卸位置の余盛バラストをかき均し、ランマーで締め固める
  3. 電動ドリルで低ローラーの両外端に穴を空け、外側のみ四頭くぎを挿しておく ※内側に打たないのは、取卸した後の微調整の余裕を残すため。急曲線では内側の穴を深めに空けておく
  4. 役割分担で締結ボルトに油を付けていく(緩める係→軌間内外で油を付ける係→締める係→コードさばき係の流れ作業)
  5. アンカーをレール底部に設置してスパナで緊締し、目立たないよう黒スプレーで塗色する(事前設置のときのみ)
  6. 印付けの位置で事前検測(軌間・水準・高低・通り)を行い、数値を記入していく
  7. 点検ハンマー等で締結装置を打音確認する
  8. 限界測定器で限界確認・跡確認を行う

安全のポイントと現場のコツ

  • 低ローラーは「後で微調整できる余裕」を残して固定する。片側だけ留めておくのは、取卸後の位置直しのためです。
  • かき出したバラストは必ず埋め戻して締め固める。緩んだままだと取卸時に受台が沈み、レールの高さが狂います。
  • 最後は限界確認と跡確認。仮設物やかき出したバラストが建築限界を支障していないか、測定器で確認して終わります。

用語ミニ解説

用語意味
受台取卸したロングレールを受けるために仮設する台
低ローラーロングレールを縦方向に送るための背の低いコロ。位置決めして仮設する
余盛バラスト道床肩に余分に盛られているバラスト
ウマ・サラエバラストをかき出す・整理するための道具
サンドル半コロをT字などに組んで安定させる置き方
四頭くぎ低ローラーなどの仮設物を留めるくぎ

まとめ

取卸準備は「当夜のためのお膳立て」です。受台と低ローラーの位置決め、バラストの締固め、限界確認。この3つを丁寧にやっておけば、取卸当夜の作業は驚くほどスムーズになります。

次の記事では「8.ロングレール取卸編」を解説する予定です。


▼シリーズ「保線作業について学ぶ」を順番に読む
前:保線作業について学ぶ(6.EJレール交換編)
次:保線作業について学ぶ(8.ロングレール取卸編)

シリーズ目次:保線作業について学ぶ(全30回まとめ)
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